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わいせつ教員 再犯相次ぐ 他県の処分把握困難で対策苦慮

2017年6月25日(日)02時30分 毎日新聞 

わいせつ教員 再犯相次ぐ 他県の処分把握困難で対策苦慮

 愛知県で5月、児童ポルノ事件で懲戒処分歴のある教員が、自校の女子児童に対する強制わいせつ容疑で逮捕された。同様のケースは他にもあり、保護者や専門家から教員の採用や処分の厳格化を求める声が上がるほか、自民党の部会も国レベルで処分情報を共有する仕組みづくりを松野博一文部科学相に提言した。文科省は対策を検討しているものの抜本策は見えていない。

 逮捕されたのは愛知県知立市立小学校の臨時講師、大田智広容疑者(29)で、5月に勤務先で2人の女子児童にわいせつな行為をしたとされる。2015年4月に知立市教育委員会に採用されたが、埼玉県の公立小学校教員だった13年に児童の裸の画像を知人にメールで送信した容疑で逮捕され罰金の略式命令を受け、同県教委から停職6カ月の懲戒処分を受け依願退職した。

 公立学校教員は懲戒免職処分を受けると官報で氏名が公告され、各都道府県教委が管理する教員データベース「教員免許管理システム」にも反映される。教育職員免許法の規定で教員免許が失効して3年間は再取得できなくなり、禁錮以上の刑を受けていれば、さらにその期間は延びる。

 一方、停職以下の懲戒処分情報は都道府県間で原則、共有されない。採用担当者は自ら情報収集しなければならないものの、個人情報は各都道府県の保護条例で取り扱いに差がありハードルは高い。

 知立市教委の担当者は「他県の処分は把握が難しく、履歴書や面接の自己申告を信じるしかない」と漏らす。通常は履歴書の前任地に働きぶりや評判を問い合わせるが、大田容疑者は「家事従事」とし教員の職歴を書かなかった。担当者は「処分歴が分かっていれば採用しなかった」と無念さをにじませる。

 児童や生徒にわいせつ行為をした教員について文科省は原則、懲戒免職にするよう都道府県教委に通知しているが、運用は各教委の判断で、停職などにとどまる例もある。

 小学2年の長女がいる愛知県の会社員女性(34)は「無抵抗な子供へのリスクをもっと考えるべきだ。わいせつ行為をした人は二度と教壇に立たせないでほしい」と訴える。

 NPO法人「スクール・セクシュアル・ハラスメント防止全国ネットワーク」(大阪府守口市)の亀井明子代表は「塾や習い事も含めて子供がいる場所で働かせるべきではない。制度改革が必要」と指摘する。同種の問題が相次ぐことを受け、自民党の文科部会は今月15日、教員免許の国家資格化や国による教員情報の一元管理を松野文科相に提言した。


国会でも問題提起

 文科省によると、わいせつ行為で懲戒処分を受けた教職員は増加傾向にあり、2011年度の170人から15年度は過去最多の224人となった。うち91人が自校の児童や生徒に対する行為だった。

 過去にわいせつ事案で処分されながら、新たな採用先でわいせつ事件を再び起こした例は佐賀県や宮崎県などでもあり、問題は国会で取り上げられた。今年2月、衆院予算委員会の分科会で野党議員が「子供に被害を与えた人物が再び同じ環境に従事することを許容していいのか」とただした。

 松野博一文科相は「対応を検討していきたい」と答弁しつつ、処分情報の全国共有に関しては「職業選択の自由、個人情報保護、罪を償った後の人権の問題も考えないといけない」と述べた。

 教員免許状は都道府県教委が授与し、公立学校の教員は都道府県などの教委が採用する。文科省の担当者は「教員の任命権や処分権は都道府県教委にあり、処分情報は国が知り得ない。情報を国で管理したり、共有を指示したりするのは難しい」と話す。その上で「わいせつ行為は懲戒免職の原則を改めて促し、情報を共有できるよう都道府県教委に働きかけたい」としている。

 一方、早稲田大の喜多明人教授(教育法学)は「厳罰化は対症療法に過ぎない。行政はわいせつ行為をした教員をただ処分するだけでなく、再発防止に向けきちんとした更生プログラムを行うことも重要」と話している。
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