いじめ自殺で遺族が提訴

2019年11月14日(木)18時51分
新潟工業高校のいじめ自殺で遺族が新潟県を提訴
3年前に新潟工業高校の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題について、遺族は「学校側がいじめ被害の訴えに適切に対応しなかった」として、学校を設置している新潟県に対しておよそ6000万円の損害賠償を求める裁判を起こしました。
「息子はいないけれど、一緒にいると思い込んでなんとか続けてきた3年間…」と言葉を詰まらせながら話す、亡くなった男子生徒の父親・佐々木正さん。
この問題は、2016年11月に県立新潟工業高校に通っていた当時1年生の男子生徒が、いじめを苦に自殺したものです。
自殺をめぐっては去年9月に、新潟県の第三者委員会が報告書で同級生からのいじめがあったことを認めました。
さらに学校側が、生徒から短期間に3回も相談を受けながら必要な措置をとらなかったことが自殺の根本的な原因になったという報告書をまとめました。
佐々木さんは「当時の責任者にしっかりと責任を果たしてほしい」と、提訴した理由を語りました。
花角知事は13日の会見で提訴について聞かれると「家族を失ったというやりきれない、やるせない気持ちを克服したいということは、感情としては理解できる」と述べたうえで、提訴については訴状を確認して対応を検討したいとしています。
これに対して佐々木さんは「やりきれない気持ちとは克服するものなのか。そもそもやりきれない気持ちでいるのは、本来されるべきことがなされていないから」と話します。
原告側の弁護士は裁判で、学校が当時、自殺を予見できたにも関わらず必要な対応を取らずに最悪の事態を招いたなどと主張する考えです。
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