実名が…いじめ調査文書、図工授業で再利用

2019年10月4日(金)05時36分
実名が…いじめ調査文書、図工授業で再利用
熊本市の小学校で、全校児童を対象に行ったいじめに関する調査文書が、そのまま図工の授業で再利用されていたことがNNNの取材で分かった。
これは2日、熊本市の小学校で子どもたちが授業で使った文書。「心とからだの健康観察より」というタイトルの横に「マル秘」の文字も記載されている。
1年生から6年生まで全てのクラスで行われたいじめに関する調査結果がまとめられていて、「たたかれた」といった内容や、子どもたちの実名がそのまま書かれている。この書類が、図工の工作用紙として使われたという。
この小学校では3日、教頭や教師が保護者の家を訪れて謝罪したという。また、熊本市の教育委員会も3日夜に会見し、謝罪した。
熊本市教育委員会・橋爪富二雄教育次長「関係した児童・保護者、市民の皆様に謝罪をさせていただきたく存じます。誠に申し訳ございませんでした」
教育委員会によると、調査文書は養護教諭が管理し、コピーを渡したのは校長、教頭、生徒指導の担当者の3人で、誰から流出したかは分からないという。
同僚教諭に暴行や暴言

2019年10月4日(金) 07時00分
羽交い締め、目に激辛カレー わいせつLINEを強要 小学校の教員4人が同僚いじめ
神戸市須磨区の市立東須磨小学校の20代男性教員が、同僚の先輩教員4人に暴行や暴言などのいじめ行為を昨年から継続的に受けていたことが3日、関係者への取材で分かった。加害側の教員たちは男性教員を羽交い締めにして激辛カレーを目にこすりつけるなどしたほか、男性教員の車を傷つけ、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で第三者にわいせつな文言を無理やり送らせるなどしていたという。
男性教員は精神的に不安定になり、今年9月から休暇による療養を余儀なくされている。担任していたクラスには急きょ臨時講師が配置されている。
関係者によると、加害側の教員は30~40代の男性3人、女性1人。LINEで別の女性教員らに性的なメッセージを送るよう強要。男性教員の車の上に乗ったり、その車内に飲み物をわざとこぼしたりした。
また、コピー用紙の芯で尻をたたいて腫れさせ、「ボケ」「カス」といった暴言を頻繁に浴びせていた。男性教員は「羽交い締めにされ、激辛カレーを無理やり食べさせられたり、目にこすりつけられたりした」とも訴えているという。
一連の行為について、同校の管理職は今年6月ごろ、別の複数の教員からの相談をきっかけに把握し、加害側の教員を指導。市教育委員会には、7月に「人間関係のトラブル」などと報告したとされる。
9月になって市教委は、男性教員の家族から男性教員の状態について連絡を受け、事実関係の調査を始めた。被害の内容や時期、回数など詳細を確認した上で処分を検討するもよう。
加害側の4人は10月に入って休んでおり、市教委は速やかに人事異動などで人員を補充する方針という。
男性教員側は、処分内容や職場の改善状況を踏まえ、刑事告訴について検討するという。
いじめの問題を巡っては、同市垂水区で市立中学3年の女子生徒がいじめを苦に自殺し、いじめについて証言した同級生らのメモが隠蔽(いんぺい)された問題を受け、市教委は9月30日に「組織風土改革のための有識者会議」から最終報告書の提出を受けたばかり。報告書は、いじめ防止対策推進法の趣旨を学び続ける▽いじめが絶対に許されない行為であると児童生徒に指導する-などと提言している。