奄美中学生自殺で第三者委「担任の不適切な指導が原因」

2018年12月10日(月)19時27分
奄美中学生自殺で第三者委「担任の不適切な指導が原因」
3年前、奄美市の公立中学校に通っていた1年生の男子生徒が自殺した問題で、市の第三者委員会は9日、「担任の不適切な指導などが原因だった」とする報告書を市に提出しました。これを受けて市の教育委員会は10日の議会で謝罪しました。
この問題は、2015年11月、奄美市立の中学校に通っていた当時1年生の男子生徒が同級生に嫌がらせをしたとして、担任の男性教諭から放課後に指導を受け、その教諭が家庭訪問した後、自宅で自殺したものです。
元大学教授や弁護士らでつくる市の第三者委員会が原因などを調べていましたが、9日、市に調査報告書を提出しました。原因について、第三者委員会は「自殺した男子生徒による嫌がらせはなかった」と結論付けました。また、男子生徒が通っていた中学校や奄美市の教育委員会の調査にも問題があったといいます。
今回の調査報告書を受け、奄美市の要田憲雄教育長は10日に開かれた市議会の一般質問のなかで謝罪しました。報告書を受け、奄美市では今後、検証チームを設置して再発防止に努めるとしています。
中学校の複数の保護者からは、当時の担任教諭は非常に熱心で、生徒にもしたわれていたという声も聞かれました。一方、第三者委員会は指導から支援へと今後、発想を切り替える必要があるといいます。
(第三者委員会 柳副委員長)「X先生は非常に熱心な教員であったが、Aさんの本当の気持ちを見えないまま指導におよんでしまい、お互いの関係性を見誤ってしまった。指導という形ではなく、支援する発想があればきっと違ったのではないか」
男子生徒の遺族は、11日に鹿児島市内で今回の報告書を受けて会見する予定です。
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